鉄

花ほうろのアイアン

花ほうろにご来訪されるみなさんが最初に目にするのはおそ
らく、鉄の造形作家の松岡信夫さんによるロートアイアンの
作品ではないでしょうか。お店の看板は松岡さんに特注した
もの。一枚板のドアも松岡さんの作品。
店内のテーブルや飾り棚、照明もやはり松岡さんの作品です。

鉄をメインに、木やガラスなどの素材を合わせ、
それぞれの素材が持つ美しさをかけ合わせる
ことで立ち上がる松岡信夫さんの美の世界は、
花ほうろの空間にとてもよく馴染んでいます。
ロートアイアン(鍛鉄)ならではの風合いが
空間を程よく締めてもくれて、ひとつあるだけ
でもそこに洗練が生まれるように思います。

ロートアイアンは熱した鉄材を打ったり曲げたりすることで造形する金工技法です。
ヨーロッパでは古くから、建造物にこのロートアイアンのものが使われてきました。
溶かした鉄を型に流し込み成形する鋳造と違い、ロートアイアンの作品には同じ
ものはありません。松岡さんの作品は、ヨーロッパのロートアイアンとはまた少し
違っていて、そこには日本人ならではの感覚というものが確かに宿っています。
それが和の空間にも洋の空間にも通じる、松岡さんの鉄の表情なのだと思います。

窓から入る光が、松岡さんのアイアンを照らす。
落ちる影もまた、作品の一部として空間を彩る。

ちいさなものではちょっとしたオブジェ。
ほどよいものだと花器や台など。
おおきなものとしては照明に扉、
テーブルや手摺。

店頭にないものに関しましては、ご相談いただければと思います。